個別ケアにシフトする日本の介護事情

超高齢化社会となり、日本国内では高齢者人口の割合がどんどん増えています。それに伴い、介護施設も増えてきており、入所する人やこれから入所を検討するという人も多くなってきています。そんな中、介護のケアの在り方の変化が目立ってきています。特に注目されているのが、集団処遇から個別ケアへの移行ではないでしょうか。

個別ケアとは、高齢者一人ひとりに寄り添ったサービスのことをいいます。近年では、利用者それぞれの個性や体調、そして生活リズムに合わせ、適したケアを行うことが推奨されているのです。今まで介護施設では、利用者を集団で管理し、食事やその日の日課、レクリエーションなども一斉に行い、みんなが同等のケアを受けていました。しかし2000年に介護保険制度が制定され、要介護者の尊厳を大事にする介護が重視されるようになったのです。そこで注目が集まったのが、個別ケアなのです。

個別ケアには、ユニットケアあるいはグループケアと呼ばれるものがあります。ユニットケアは10人以下の利用者を1つのユニットとし、専用の居住場所と固定スタッフを配置してケアするものです。介護スタッフが固定されるため、利用者の状況に合わせたケアの提供が可能になります。利用者それぞれの個性を把握でき、わずかな体調の変化にもすぐに気付けるというメリットがあります。

一方、グループケアは利用者をいくつかのグループに分けて、グループ単位で生活を支援していくものです。ユニットケアのようにグループの人数など細かなことは決められていないため、集団処遇から個別ケアに移行したいのであれば、この方法からスタートさせると良いでしょう。